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NGOコペルニクの共同創設者 兼 CEO中村俊裕 聞き手 枝廣淳子 Interview09

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全てのプロセスには改善の余地がある。
活動を拡げるためにできることは、キリがない

枝廣:
今後は、どのように展開していかれるのでしょう?
中村:
まだまだ小さいですから、今の活動を地道にしっかり展開していきます。本拠地であるインドネシアで、良いパートナーの数も増やしながら、同じパートナーとの関係を強固にしていきたいですね。
どの仕事でもそうでしょうけれども、我々の仕事もプロセスを分解するといっぱいあって、その全部が改善できますよね。例えば、モノを持って行くときのプロセスをどうやっていちばん効率化できるか、どうやったら現地パートナーがもっとやる気を持ってくれるか、どういうトレーニングが一番必要とされているのか、キリがないほどです。今、一個一個のプロセスを「次はこうしてみよう」と試行錯誤しながら、「つなげて持って行く」というプロセスの改善をみんなでやっているところです。
枝廣:
3.11のあとは被災地の支援もされましたね。
中村:
はい、短期間でしたが。我々の活動範囲でできること、強みであることをと思って、電気が通っていない地域に、ソーラーライトとソーラーで再充電できる補聴器を持って行きました。フィリピンでも台風がありましたが、そのときは水に困っている地域に浄水器を持っていきました。
枝廣:
コペルニクの活動を応援したいと思ったら、何がいちばん役に立ちますか?
中村:
ウェブサイトからもできますが、寄付ですね。というのも、我々は、寄付というのは1つのツールだと思っています。「今、途上国にこういう課題があるよ」と課題や問題があることを認識してもらうことと、同時に解決策もあって、そこに参画もできるよ、ということですが、この「できるよ」ということもすごく意義があると思っているんです。だから、寄付をするという行為は、お金があっちからこっちに移るだけではないんです。
枝廣:
現地パートナーは「このテクノロジーを使いたい」と申請を出して、ウェブに載せてもらって、クラウドファンディングで目標額が集まってはじめて実現するわけだから、ワクワクドキドキしながら待っているのですよね。
中村:
そうなんです。一度、必要なファンドが集まったちょうどそのときに、東ティモールでその団体と一緒にいたことがあるんですよ。電話がかかってきて、「目標額が達成できた」って。みんな、「おー!」ととても喜んで。
枝廣:
いい場面に立ち会われたのですね! そういう喜びがあちこちに広がるよう、応援しています。ありがとうございました。
Profile

中村 俊裕(なかむら としひろ)

NGOコペルニク 共同創設者 兼 CEO

写真:中村俊裕さん

ラストマイルの人々にシンプルで革新的なテクノロジーを届けるため、2010年コペルニクを共同創設。ボードメンバーを兼任。国際開発、経営コンサルティング、アカデミック分野での幅広いキャリアをもつ。

京都大学法学部卒業、英国ロンドン経済政治学院で比較政治学修士号取得、大阪大学大学院国際公共政策研究科で招へい准教授を務める。マッキンゼー東京支社で経営コンサルタントとして活躍後、過去10年間は国連に勤務し、東ティモール、インドネシア、シエラレオネ、アメリカ、スイスを拠点としてガバナンス改革、平和構築、自然災害後の復興などに従事。シエラレオネでは政府のアカウンタビリティー強化、透明性増大のため、「開かれた政府」プロジェクトの発案、立ち上げを行う。

2012年には世界経済会議(ダボス会議)のヤング・グローバル・リーダーに選出。同会議の持続可能な開発における「グローバル・アジェンダ委員会2014-2016」のメンバーでもある。2014年には、ユニセフの「インドネシア・イノベーション・ラボ」のアドバイザーに就任。著書に「世界を巻き込む。」がある。

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