「定常経済」について考える
「定常経済」あるいは「定常型経済」
という言葉を聞いたことはありますか?
定常経済とは「経済成長を目標としない経済」、つまり「活発な経済活動が繰り広げられているものの、その規模自体は拡大していかない経済」のことです。「ゼロ成長経済」という言葉で表現されることもあります。
「ゼロ成長」といっても、経済活動を止めてしまうわけではありません。自転車も同じスピードで走り続けていれば倒れません。定常経済では、加速し続ける(=規模を拡大し続ける)ことなく、等速で(=同じ規模で)経済活動を持続します。
これまでは、「GDPは毎年増えるもの」であり、GDPの増大で測られる経済成長は、ほぼどの国にとっても、必達の政治的・経済的な目標でした(今もそう考えている人が大多数かもしれません)。
ではなぜ今、「定常経済」が必要なのでしょうか? そもそも「定常経済」とはどのようなものなのでしょうか? 経済規模を拡大せずに、問題は起こらないのでしょうか?
2014年のブループラネット賞受賞者の元世界銀行チーフエコノミストのハーマン・デイリー氏は、50年ほど前から「定常経済」を考え、主唱し続けてきました(各国の経済成長を後押しする世界銀行で、こういう考え方を打ち出したときのまわりの反応など、ぜひインタビューをご覧下さい!)
このカテゴリーコーナーは、2014年8月に旭硝子財団さまからの助成をいただき立ち上げたものです。ハーマン・デイリー氏の考え方をもとに、内外の「定常経済」的な取り組みや考え方を紹介しています。